世界の広告支出は保守的であり、成長は3.8%にとどまると見込まれている

米州、アジア太平洋、ヨーロッパ、中東、アフリカなど59の市場からのデータに基づいて、電通アンジェスグループの2017年6月の広告支出予測は、2017年の経済見通しが前年同期比でより慎重になり、世界の広告支出の伸びが4.8%から3.8%に低下すると予測しています(図1参照)。 しかし、2018年は状況が改善し、広告支出は4.3%増加すると見込まれています。 韓国冬季オリンピック・パラリンピック、ロシアFIFAワールドカップ、米国議会選挙などの重要なイベントは、2018年の広告支出の伸びを促進する上で重要な役割を果たします。

英国の欧州連合(EU)離脱決定が経済に影響を与えるという以前の懸念にもかかわらず、英国の広告支出の伸びは2016年に6.1%にとどまり、予想を上回った。 2017年は慎重で成長は4%に低下するが、2018年には5.9%に回復すると予想されている。 米国も同様で、2017年には3.6%、2018年には4.0%とやや改善すると見込まれています。 米国は世界最大の市場であり、2017年の世界の広告支出の37.7%を占めています。 新興市場の広告支出は、先進国を上回り続けるだろう。 例えば、インドの広告支出は2017年に13%の成長が見込まれていますが、中国は世界第2位の広告市場であり、トップ5の広告市場の中で唯一の新興国です。

モバイル広告とデジタル広告が新しいデフォルト設定になります

予測は、デジタル技術がブランドと消費者を結び付ける方法を破壊し、革新し続けることを示しています。 モバイル広告支出は、2017年にコンピュータ広告を上回り、世界のデジタル広告支出の56%に達すると予測されています。 モバイル広告への支出は、2018年に1,161億ドルにさらに増加する見込みです。 2025年までに、スマートフォンのユーザーは40億人に達し、消費者の約3分の1がスマートフォンをエンターテイメントの主要な源と呼び、この傾向は今後も強くなっていくと予測しています。

また、デジタル広告は、2018年に世界の支出シェアで初めて最大のメディアとしてテレビ広告を引き継ぐことが予測されています。 テレビ広告の35.9%(2017年比37.1%減)と比較して、2018年のメディア支出に占めるデジタル広告のシェアは37.6%(2017年の34.8%から増加)、合計2,158億ドルに達する見込みです。 紙の広告におけるデジタル技術による継続的な破壊に対応して、2018年の有料検索(検索結果に表示されるプロモーション情報)は、従来の紙広告(新聞や雑誌)を上回ります。 近年、紙の広告は低迷しており、2018年の支出全体のシェアは13.8%(2017年の15.1%から減少)に低下し、有料検索は14.6%(2017年の13.6%から増加)に増加すると見込まれています。

ビデオ、ソーシャルメディア、プログラムされた購入広告は、イノベーションと成長を促進します

デジタル広告支出は急速に成長しており、テレビ広告を上回り、デジタル広告には新たな成長源が多数あり、広告業界の将来を予感しています。 たとえば、オンライン 動画は 2017 年に 32.4% 増加し、ソーシャル メディアは 28.9% 増加し、自動広告購入などの手続き的な購入広告は 25.4% 増加します。 将来的には、バーチャルリアリティ、人工知能、音声アクティベーションなどの破壊的なテクノロジーの可能性を最大限に引き出す必要があります。 しかし、この調査では、現在、広告にバーチャルリアリティ技術を使用する意図があるブランドはわずか8%です。

アジア太平洋地域の広告支出は世界平均を上回ります

アジア太平洋地域の広告支出は、2017年に4.3%、2018年に4.6%と、世界平均を上回る見込みです。 中国の広告支出は2017年に6.0%、2018年には5.4%増の882億ドルと予測されている。 中国はアジア太平洋地域で最大の広告市場であり、2017年の広告支出はアジア太平洋地域の43.6%を占め、2018年には44.0%に増加すると予測されています。 医薬品、通信、飲料、食品、日用品などのFMCGカテゴリが成長を後押しします。 デジタル広告支出は2017年に454億ドル(54.3%)に達し、2018年には59.6%に増加すると予測されています。 モバイル広告支出は、2017年に36.6%、2018年に25.8%の成長が見込まれています。

電通アンジェス・グループのジェリー・ブルマン最高経営責任者(CEO)は、最新の広告支出予測について次の通りだ。

「デジタル広告がテレビ広告を上回り、モバイル広告がコンピュータ広告を上回り、有料検索が紙の広告を上回り、広告支出の転換点に達します。 これで、数値とデータが広告主の既定の構成になる必要があります。 オーディエンス・イン・マーケティングから人間的なマーケティングに発展し、データを使用してアクセス性を向上させるのは、ブランドが2017年のより厳しい状況に対応するだけでなく、ブランドの将来の発展にも貢献します。 "

「ブランドにとっての課題は、イノベーションの可能性を活用する準備ができていることを確認することです。 バーチャルリアリティや音声アクティベーションなどのテクノロジーが際立つにつれず、ブランドは時代とともに進化し、消費者に新たな価値を創造する必要があります。 "

電通アンジェス・グループ・チャイナの山岸紀寛最高経営責任者(CEO)は次の通り。

「中国は米国に次ぐ世界第2位の広告市場です。 中国市場は、新しいインターネットサービスプロバイダの参入と携帯電話メーカーとの激しい競争により、デジタルディスラプションの最前線にあります。 中国では、オンラインショッピング、ライブストリーミング、VR、乗り込み、金融、ライフサービスAPPなどは、新しいライフスタイルです。 このますます複雑化する環境の中で、当社の機会は、デジタルメディアに精通した消費者との最も効果的な相互作用とコミュニケーションを顧客が整理するのを助けるかどうかです。 "

*デジタル広告:検索、ディスプレイ広告、オンライン動画、ソーシャルメディア、モバイルメディアにおける広告費用。

*テレビ広告:地方および国営ケーブルテレビの広告支出を指します。

*紙の広告:雑誌や新聞の広告支出の組み合わせ。